英語術4

<目次>

28.   ネイティブがチェックしたら、真っ赤っか。 (20037月13日)

29.No.28で直された点の補足(1)  (2003720日)

30.No.28で直された点の補足(2)  (200382日)

31.No.28で直された点の補足(3)  (2003823日)

32. 閑話休題   海外暇つぶし(3) ビールの種類  (200391)

33.  No.28で直された点の補足(4) (2003920)

34. 閑話休題   海外暇つぶし(4)    言葉なしのコミュニケーション (2003928)  

35.  やっぱり間違っていました。 (友達からのメール (2003104)   

36.   閑話休題   海外暇つぶし(5)    けんかは日本語だ  (NEW 20031020)     

37.  Prof. Yeh先生の講演「五輪の書」 日本人は日本を評価しない。(NEW 20031115)     

38. 文化の相互交流に、何かが宿る(メルボルンの「お風呂屋」) (NEW 200312月13日)     


28.         ネイティブがチェックしたら、真っ赤っか。 (2003年7月13日)

ダラスで、学会IDPT2000  (INTEGRATED DESIGN & PROCESS TECHNOLOGY: USA)が開かれた。そこで、私は、"Analyzing Japanese Trade Processes for Computerization Using the Data Oriented Method“を発表した時のことである。

あるセッションに参加したら、ドイツ系のアメリカ人が「コンピュータに関しての日米の関係がどうあるべきか」という、あまり学会らしくない話をしていた。たまたま、私はそのセッションにいたので、話を聞いた。彼のプレゼンが終わって質問の時間になったが、質問が出ない。仕方がないので、私が質問ではないが、然々であると意見を述べた。

 セッションの終了後、彼が追いかけてきて、「Thank you.・・・」と言う。なんでも、ドイツ人は英語が下手なので、ドイツ人向けにドイツ人が書いた論文を、ネイティブがチェックするサイトをネット上で始めたらしい。彼は、「先程のお礼に、板倉さんは、無料で良い」という。

そこで、友人に送るメールをチェックしてもらった。その結果が、下記の通りである。

 

まいった。残っている文は、「How are you?」位しかない。 真っ赤っかである。しかし、直ったということは、ブロークンながら、意味は、通じたということだ。

同様に直されたのが、後数通あったのだが、もう見つからない。それらも、原型をとどめないほど直された。しかし、「私は、国際語である英語を話し、彼は、それを米語にした」。

 

Dear Mr. xxx,

 

How are you?

You are silent recently, aren't you? You’ve been quiet lately, haven’t you?

 

My project is now in the testing phase. Everyday, many problems come up with,

this is good for my mental health.{Keeping busy is good for me.}

Because If I had a lot of time to do nothing, I would worry about things, for example, I wonder if it is better to change my job or to start EC market, and so on.[It gets my mind off things like changing my job or start in the EC market]

 

Recently, my brain cells doesn't are not working very well so work well so that I could not come up with new ideas. Nowadays, but it It is a time to start an Internet business.

 

Did you get a master masters degree?

I gave up to be a doctor.  I have given up on my doctorate.

 

The reasons are : followings;

(1) I wrote a paper for doctor doctoral degree.

(2) The professor who reviewed my paper pointed out very small things. Such, as "by is better instead of through" in Japanese. It took 6 months.

(3) Finally, I sent the paper to a society, and reviewing professors said the paper could be divided into 2. This point is very sharpwas hard to accept, because I put 2 papers into 1.

 

At that time, I gave up to get a doctor degree under the professor and my eager since I lost my inspiration. to be a doctor degree had been disappeared.

 

I will have to manage a panel discussion in November 2000 whose theme is "What kind of Software industry will be necessary in Japan beyond quality era". The members of the discussion are Prof. NONAKA, I think he is famous in US because he published a book about knowledge management and got some prize, Prof. of language, quality management, a president of venture company and a manager of a big company.[somewhat unclear]

 

I think that 21st century should be a beyond quality era because developed country companies has have invested to in developing countries and many famous companies train those country employees. Adding to this, especially in manufacturing industry, In addition, advances in the manufacturing industry have made automated processes less prone to human error.  automated process has been promoted so that human error is difficult to be in.

 

Anyway, I am looking forward to hearing from you soon.

 

Bye!

--------------------------------

MINORU ITAKURA

 

 

 29.No.28で直された点の補足(1)  (2003720日)

 前回、まっかになった英文を見せたので、各々の修正された点を自分流に解釈し、解説しましょう。

No. 28のメールは、私の友人でコンピュータサイエンスが好きな男に出したメールです。書き下ろして、ざっと読み直して直したものです。外からは、英語で考えた様に見えるが、その実、そうではなく日本語で考えています。でも、直接英語で書き出しています。

 

You are silent recently, aren't you? を You’ve been quiet lately, haven’t you? に直した方が良いと言っています。

 

まず、上のように直せたということは、ネイティブは、この文を、理解できたということです。したがって、通じるだけなら、元の程度の英文で十分です。

時制が駄目な様です。「are」を「have  been」に直されました。日本語だと、現在形でも通じるが、なぜか、英語は時間軸に敏感だ。

上の英文のメールは、日本語から英語にするのではなく、直接英文を書きました。外見から見ると、英語で考えている風です。しかし、「最近、静かだね」と日本語で考えている。そうすると、この様に、時制は日本語風になってしまう。

この程度の違いだと、「英語でも、現在形で言う方法を発明したらどうですか」と言いたくなります。

You are quiet lately, aren’t you?」は、「いま、最近、静かだね」と言う感じになって矛盾している。この「いま」は、動詞が語ってくれているので、動詞が言っていることとlatelyが矛盾しているということになるのでしょう。確かに、「You’ve been quiet lately, haven’t you?」「最近ずっと静かでしね」の方が正確ですよね。でも通じるから、あんまり気にしないことにしましょう。

英語は動詞の変化で、時間感覚を表現する。また、その時間感覚の種類が多い。一方、日本は、動詞の変化をあまり、気にしない。したがって、日本人は、よく間違える。しかし、間違えても、通じる様にすれば、No problem!

 Silentよりも、quietの方が良いと言っている。まあそうかもしれない。「あなたは、最近、沈黙ですね」よりも「あなたは、最近静かですね」の方が自然ですよね。でも、いわれなければ分からない場合も多いので、気にしないことにしましょう。

 Recentlylatelyのニュアンスがどう違うか分かりません。このように細かいことを気にしていたら、英文など書けません。私は、英語を書いているのではない。国際語を書いているのです。

 

30.No.28で直された点の補足(2)  (200382日)

 Everyday, many problems come up with, this is good for my mental health.{Keeping busy is good for me.}にしろと言っています。

 

  黄色の方が赤よりも程度が良いのでしょう。信号でもそうだから! この意味は、「毎日、たくさん問題が沸いてきます、それが、私の心の健康に良い」ですが、「忙しいのが良い」と言う風に短くされました。

  何を言うにも、英語では、説明的に言った方が通じます。英単語が出てこないときは、説明するしかない。大体、日本語の単語と英単語が、1対1で対応するはずがないからです。日本語でも、単語の意味がわからないときは誰かに、説明して単語を聞くでしょう。そうすると、その単語を教えてくれる。

我々は、学校で、単語の置き換えしか習わなかった気がする。本当は、単語など置き換えられない。正確におなじ意味とニュアンスをもつ単語などない。このことに、学校で習った後、20年くらいたって気がついたので、手遅れ。聞いて沢山話して、何となく分かってくるのでしょう。

Come up withは、アイデアが沸いてくるという時などに使うイディオムですが、他の表現を知らないので使いました。本当は、イディオムは、使ってはいけなかった。ことわざやイディオムなどは、うまく使えないのが当たり前。国際人であれば、知っていても使ってはいけないとしたい。ネイティブは、特に使って欲しくない。

英語では、長く説明的になるのは当然です。説明的に言った方が誤解を受けにくい。この修正は、通じたし、黄色ですから、問題ないとしましょう。

 

31.No.28で直された点の補足(3)  (2003823日)

今回は、まとめて3つかきます。

 

(1) Because If I had a lot of time to do nothing, I would worry about things, for example, I wonder if it is better to change my job or to start EC market, and so on.[It gets my mind off things like changing my job or start in the EC market]

 

  これは、「小人閑居して不善をなす」ということを言ったつもりです。これも、説明的で、前項に同じしです。意味は、通じたようです。

 

(2) Recently, my brain cells doesn't are not working very well so work well so that I could not come up with new ideas. Nowadays, but it It is a time to start an Internet business.

 

 これも、時制の誤りです。「おれ、最近、頭が働かなくて」を、ingを使えということらしい。確かに、今そうだし、これからも、ずっとそうなので当然という気がします。でも、いわれないと簡単には出てこないですよね。

Brain cellsは、頭という言い方を知らないので使いました。Headと言うとヘディングみたいに外形を言うのだと思ったのです。そこで、より具体的に「脳細胞」と書きました。これは、誤りと指摘されなかった。正しかったらしい。

So thatは、「その結果・・になる」なので良いと思ったのですが、soの方が単純ですね。

A timetimeかは、体感的に分からない。日本語で言うときっと「あなたが分かる」「あなたは分かる」という一寸したニュアンスの違いのような気がしていますが、英語の先生から「a」を代数的に教わったので、いまだに分からない。からだで分かるしかないようです。つまり、聞き言うことが一番大事です。。

 

 (3)Did you get a master masters degree?

  慣用的に、複数を使う様です。これも通じました。

 

全体を通して、

(1)   文法は間違える。

(2)   ほとんど、100語位しか使ってない。

 

でも、通じたので「No problem!」。これが、イタクラッている英語の書き方です。

 

32. 閑話休題   海外暇つぶし(3) ビールの種類  (200391)

 そのドイツ人は、フランクフルトからパリと成田経由で韓国へ行くそうだ。飯が出て、アルコールが入ると双方、元気になり話しが進む。こちらが、ずうずうしく英語で話し掛けたので、相手はこいつは出来るのかも知れないと思ったようである。「英語は上手くない」と来た。イタクラっているのにである。先手必勝、どうしてどうして、当方も負けず劣らずヘボである。

まずは、彼と話したビールの話。ただ、両方とも怪しい第二外国語で、駄上での会話である。違っていることがあるかもしれない。その点はあしからず。

フランクフルトSACHSENHAUSEN GASLIIGHT と言うBEER HOUSEには、ドイツ中のビールが集まっているそうだ。ビールの種類は、次の通りらしい。

MILD:  FOR EXPORT 4.5% ALCOHL 

PILS:  MORE BITTER 7%  ALCOHL 

    分間あわが消えない。

BOCK (or BLACK)   DARK BEER 7%   ALCOHL

MYBOC:????

MALZ: FOR KIDS 0%  ALCOHL 

 次に、モスクワ回りか、アンカレッジ回りかで論争になる。

「前、ルフトハンザで韓国に行く時は、フランクフルト発アンカレッジ経由成田行きであった。したがって、この飛行機も、そちら経由のはず」としつこい。俺は、「行きもエールフランスで来たがモスクワ回りであった」と言うのであるが、相手も譲らない。

そのうちに、「画面に地図と飛行経路それから位置などが表示されるので分かるよ」と言うことで一件落着。とにかく、頑張る男だ。風体・顔つきなどカウボーイと言う感じである。例によって、アルコールも入ったし、良い気持ちで寝てしまった。

  朝食で起きたあと、飛行機が遅れたので、韓国行きフライトに間に合わないのではないかと言ったら、心配になったらしく、切符をだしてチェックし始めた。チェックしたら時間の余裕が時間になっただけだから、充分ビールを飲む時間があるよと安心させる。

 

33.  No.28で直された点の補足(4) (2003920)  

No.28の英語の修正版の解説は、これでおしまいにします。

 

I think he is famous in US because he published a book about knowledge management and got some prize, Prof. of language, quality management, a president of venture company and a manager of a big company.[somewhat unclear]

 

 [somewhat unclear]という言い方はにくいですね。

何となく、はっきりしないということらしい。直せないのだから、分からないのでしょう。

イタクラって訳してみると、「彼は、知識管理の本を出して、賞を受けた、言語、品質の教授で、ベンチャーの社長、大企業の役員でもあるので、アメリカで有名です」。訳してみたら、おかしいし、第一、間違えています。

言いたかったことは、「かれは、経営学の教授です。米国でナレッジの本を出版して、有名な賞をもらいました」です。直してみます。

まずI thinkは、おかしいので、いらない。黄色の部分は、別の文にした方がよさそうです。前の文とちがうことを言っているので、独立すべきでしょう。そうすると、

He is a professor of management. He published a book in US and got some famous prize.

  多分、きれいな英語ではないと思います。もう一度、修正依頼をすると、また直されるから、もう出しません。

 

英作文から分かったことをまとめておきます。

恥をかきましたが、この一連の訂正から、言いたかったことは、次のことです。

(1)    書けば、大抵、通じますよ。

        問題は、失礼にあたらないように、こちらが英語は下手だが中身があると言っておく様にしています。こちらの下手さが分かっていると「I am a only American who understand Itakura’s BEIS」などと言ってきます。

 

(2)    だから、多分、話しても通じます。

    聞き手は、最初は、分からない顔をします。 通じていないとおもったら言い換えられます。文章ではこうは行かないので難しい。したがって、話している方が通じます。

また、少し話していると、相手は私の発音とイントネーションになれてきます。こちらは、簡単には、慣れないのですが、・・・。

 

(3)    通じなかったのは、内容自体も間違えていました。

    話しているのなら、[somewhat unclear]であれば、聞き返してくれる。結局、通じる。[somewhat unclear]でも話してしまうことだ。しかし、文章で書くのは、神経がいります。私は、書いたら、一旦その日は忘れて、翌日チェックしてからだすことにしています。

(4)    細かいことは気にしないこと。ずうずうしく行きましょう。

私は、時制、a the、複数/単数など、気にして直しています。しかし、No.28の例のように直しきれない。だから言わないのではなくて、その程度の誤りを許容することは、国際語としては当然のことjおもいましょう。

 

 34. 閑話休題   海外暇つぶし(4)    言葉なしのコミュニケーション (2003928)  

 ウィーンで路面電車に乗った。乗る前に、とおりがかりの人3人程に聞いていたので、この路面電車が「オペラ座駅」に行く事には自信がある。

  路面電車に乗ってみたら、切符を売る人がいない。その辺に居る人に聞いたが通じない。相手はドイツ語がほとんどだ。運転手に聞いたら、自動販売機で買えと指差してくれた。自動販売機には、20シリングと書いてある。

  そこでポケットを捜してた見たが、今度は、小銭がない。困った!。100シリング札しかない。自動販売機の前でうろうろしていたが、どうにもならない。そこで、乗客の方を向いて英語風で「Please, change this money small」と、イタクラッテ叫んだが、反応がない。もう一度、100シリング札を掲げて、日本語で、「誰か、代えてくれませんか」と叫んだ。

  そうしたら、右横の年の頃50ないし60のおばさんが、「・・・・・・」とドイツ語で言っている。どうも「代えてあげよう」と言っているらしい。

  そこで、おばあさんの所に行くと、大きな財布をだし、「フンデルトツバイフンデルト」と足し算をしていって、100 シリングを玉に代えてくれた。「ダンケシェーン」「ありがとう」「Thank you. 」。  最後に、「とても、助かりました」と日本語で感謝して自動販売機の所に行った。「今度は、切符を買えるのか?」と言う不安をもちながら、自動機の前に行った。

  どういうことはなく出てきた。何でも、物の本によると75分は同一方向なら乗替自由と書いてあった。どうするのだろう。それよりも、先に、情報を仕入れておいてから乗るべきだった。

 降り方も分からないので、ドアの近くの男に聞いた。これが、まるで英語駄目。首を振ってニコニコしているだけでらちが明かない。とにかく、運転手に言って降ろして貰った。

結局、言葉は一言も通じなかったが、コミュニケーションはできた。

小さなことだけど、ハラハラドキドキする経験をした。一人で、その場に当たることも、コミュニケーションの訓練には良い方法だ。

日科技連のSPCTなど、何人かで、海外に行くときがある。大抵は、英語の発表が初めてのひとがいる。そういう時、初日に、初めて、あるいは、初めてに近い人に、グループの飯の案内をしてもらう。基本的に支援はしない。ホテルや通りがかりの人に聞いて、レストランにたどり着くのである。旅慣れた人は、じっと我慢して、見ているだけである。今までの経験では、すべて、何とか飯にありついた。たいてい初日にやる。ついでに、居酒屋によって、現地のひとと話をしてみる。そうすると、度胸がついて、発表やロビーで気遅れなくできるようになる様である。

 

35.  やっぱり間違っていました。 (友達からのメール (2003104)   

私の友達から以下のようなメールがきました。彼は、アメリカ人、奥さん日本人、ハワイ在住、日本語少々で、元、私の近所に住んでいた私の英語の先生です。

 

No.33の文章、

He is a professor of management. He published a book in US and got some famous prize.

 

の「The」を、直してくれました。昔、彼から習ったので、「the」をつけるべきか迷いました。迷った結果、「The United States」で、Theなしの「US」と思い込んで書いてしまいました。実は、両方「The」がいるようです。

 

以下、その友達からのメールです。

 

Hi,

How are you?

I spent some time looking at your website this evening, and enjoyed it, although I could not read so much of the Japanese. I can't help but point out some small corrections.

 

私のホームページを見てくれた様です。彼の日本語は、私の日本語同様なのでサッサッとは読めなかった様です。もし、私が日本語の先生であれば、「some small corrections」とは、言わないだろう。きっと、「君は、間違えている」というと思います。彼は、やさしく、「some small corrections」と言ってくれた。いずれにしろもつべきは、友ですね。

 

It gets my mind off things like changing my job or starting in the EC market. What is the EC market?

He published a book in the US and got some famous prize.

 

ECとは、多分、ELECTRONIC COMMERCEなのですが、彼が分からないとすると、一般英語ではなさそうです。この文の、「He published・・・」は、No.33で、「多分、きれいな英語ではないと思います。もう一度、修正依頼をすると、また直されるから、もう出しません。」と言った部分ですが、修正をたのまなくても、直されてしまいました。

 

I think he is famous in the US because he

 

この方が、良いですよと言っている。確かに、素直だとおもいました。

Simple is the bestです。

 

以下、theと国名の関係です。

For country names that include words like United and Union (UK and US, ex-USSR) we use the.  If you still have the purple(?) grammar book, I think the explanation is in there somewhere.

Also, republic (The People's ROC, etc...)

 

The purple(?) grammar bookは、彼に、すすめられたのですが、まだ、買っていません。良い文法の本らしいです。 .これを買うことにしましょう。興味のある方は、お調べください。

以上、言いたかったことは、BEISで通じるよということです。したがって、No.33は直さないことにします。

 

36.         閑話休題   海外暇つぶし(5)    けんかは日本語だ  (NEW 20031020)     

海外暇つぶし(4)と似た事例を紹介しよう。ある国の空港で、帰国時に、最後のPROBLEM にあった。空港のバーで、私がビールのコップを落として割ってしまった。

しばらくしたら、ボーイが来て、もちろん英語で、『搭乗券を見せろ』という。「なんでだろうな」と思ったが、搭乗券を見せたら、搭乗券を持っていってしまった。

何をしているのかなと思ったが、搭乗券を中々返さないので、ボーイ氏の所に、歩いて行ったら『2ドル払え』と言う。ここから、喧嘩になった。言英語で喋ったがまわりくどい、こちらは、日本語に切り換えた。「馬鹿野郎!コップを割ってコップ代を請求するとは何事だ。てめえは、サービス業だろう。ふざけるんじゃねえ~」とまくし立てた。雰囲気は通じただろうと思って、とりあえず席に帰ろうとした。その時、ボーイが、ビールを私の服にこぼした。これを、逆襲の材料にして、こっちは、洗濯代をよこせと主張。これも,日本語だ。らちがあかない。

一緒に行った日本人のS氏がやってきて、『たったドルだから、板さん止めろ』と言う。しかし、金の問題ではない、敵は、日本人を馬鹿にしている。「脅かせば、金を取れる」とふんでいるとおもった。

しばらく放っておいたが、本当に帰れないかもしれないと不安になった。そこで、バーをでて、帰りの飛行機会社の事務員に、仲裁を頼んだ。これは、英語である。彼は、『分かった。しばらく待ってくれ』と言う。小生も興奮しているが、航空会社氏に怒っているのではない。自分を抑えて、その通りにする。バーに戻った。

その内に、くだんのボーイ氏が出てきた。ちびを一人連れてきた。ちび氏が言う。『彼、ボーイ氏は、空港の安全を守る仕事をしていて、もし貴方が、上のガラスを割ったら、何百ドル払ってもらう』とずっと上のガラスをさして言う。わたしは、『英語は、分からないよ』と日本語で応対する。『飛行機に乗り遅れるぞ』などと威す。「馬鹿野郎!まだ時間は、一杯ある」と切り返す。相手は英語、こちらは、日本語である。

決着せず、ボーイ氏とちび氏は、引き返した。航空会社氏は、その後30分経っても、何もしない。仕方がないので、我慢していると航空会社氏は、ようやくボーイの所へ出掛けた。何かを話して、航空会社氏は、戻って行った。しかし、私のいるバーでは、何も起こらない。

まだ、時間もある、「あわてない」ともうすこし事態を静観する。しばらくしたら、きたきた、ボーイとちびが二人そろって。また、押し問答になる。

その中で、私がどんな文脈で言ったか忘れてしまったが、「I'M SORRY.」と言う言葉がでた。ボーイ氏は、「分かった、そう言ってもらえれば、金はいらない」と来た。

「冗談じゃない、馬鹿にしやがって」とおもった。「2ドル払う意志がある。しかし、俺は、今、10セントしか持っていないので、友達から借りる」と言って、一緒に行った日本人から2ドルを借りた。今度は強気だ。「さあ、受け取れ」と言った。

今度は、ボーイ氏は、「受け取れない」と言う。「このやろ~。さっきまで払えと言ったじゃねえか」と日本語。多分、航空会社氏が、『金を取ると、恐喝になる』と威したのではないかと思う。しばらく、「受け取れ」、「NO」を繰り返していたが、馬鹿馬鹿しくなったので、結局、2ドル払わずに収めた。

飛行機で、たまたま、隣に座ったその国の出身者のアメリカの某社に勤めている人にこの話をした。そうしたら、『あなたが正しい。アメリカでも、わが国でも、払う習慣はない』と言ってくれた。まあ、おかげで、このこのアメリカ人氏と箱崎まで、一緒に行くはめになった。その間中、英語でした。本当に頭が、疲れました。

この話は1987の話です。しかし、こんな問題が起きたので、その国がすっかり好きになりました。その結果、10年後に、その国に行く機会があった時、自分で「おれが行く」と、買ってでたのです。「雨降って地固まる」です。

 

37.  Prof. Yeh先生の講演「五輪の書」 日本人は日本を評価しない。(NEW 20031115)  

  ソフトウェアエンジニアリングの始祖ともいえる元メリーランド大学のYeh教授と台北で開かれたKDEX‘98でお会いした。教授は、Invited speakerだった。こちらは、KDEX‘98のプログラム委員。

Yeh先生が招待講演をすると知らなかったから、先生がきた時にびっくりして挨拶に行った。「How are you?」である。「イヤー、久しぶり」と言う様な会話をした。そうしたら、まわりの台湾の先生方がびっくりして、なんでこの日本人が、Yeh先生を知っているのだとまわりでザワザワしている。

  招待講演のテーマは「ZERO TIME CONCEPTS」。興味津々、聞き始めたら話の中に出てくる挿話は、「The Book of Five Rings」宮本武蔵の「五輪の書」であった。私がいたので、突然、宮本武蔵の話に切り換えたのかもしれない。

  趣旨は、宮本武蔵の様に企業を鍛えることが強さの秘訣だ。宮本武蔵は、櫂を削って刀の代わりにした。臨機応変に対応がとれるように従業員を鍛えることが成功への道だという趣旨であった。そのように従業員を鍛えると、ZERO TIMEで対応が取れる。そうすると、スピードが上がって、成長が早くなる。60%スピードが上がると、3倍早く成長する、というのが基本コンセプト。

日本人は会場にただ一人私だけである。宮本武蔵の話の中で、島の名前は忘れてしまっているし、佐々木小次郎も忘れてしまっている。したがって、私に質問がとんでくる。

What is the name of the island?

The name is GANRYUJIMA island

 

What is his competitor’s name?

Sasaki Kojiro

などと言う会話が演壇と、末席で飛び交う。もし、日本人がいなければ「a island」とか「his competitor」くらいで済んだものを、私がいたおかげで、ちゃんと話そうという気になったらしい。おかげで、一所懸命聞かざるを得ず、先生の話は少し分かったが、くたびれた。

さて、講演の中のメモの中から少々。

 

TQC 問題を見つめなさいということである。同様に、ZERO TIME は、顧客を見つめなさい。

                                                           

SPEED IS A NAME OF GAME. 60% 早くなると3倍成長する。

 

個人が意志決定できる組織  マクドナルト、WALLMART

ZERO REGISTERATION:  FEDEXは、警察より先に、50マイルで走っていたことが分かる。

INSTANT CUSTERMIZATION: DISNEYは、客がCUSTERMIZATIONをする。

  ようするに、個人を鍛えて、個人の能力をいかす組織と権限構造をつくれと言うことです。

日本に帰ってきてから、Yeh先生の本「Zero time」を買いました。パラパラとみた感じでは、宮本武蔵はでてきません。ひょっとすると、即興だったのかもしれません。

 

先生曰く、日本の某巨大企業の重役会で話したそうです。重役15人のうち五輪の書を読んでいてひとはたった1人だったと言っていました。日本人は、日本を知らないし、評価しない。これでは、国際的になれないのです。

 

ついでに、amazon.comで「THE BOOK OF FIVE RINGS」も「Zero time」も買えます。大抵の人は、その前に、「五輪の書」を原書を買わなければならないでしょうが。でも、原書は、日本語です。

 

38.  文化の相互交流に、何かが宿る(メルボルンの「お風呂屋」) (NEW 200312月13日)     

  日本航空が出している雑誌に、「Agora」(日本航空文化事業センター発行)という雑誌があります。JALグローバルクラブの会員に配られる雑誌です。 その、 2003年11月号の11ページに、柳沢由紀夫氏が次のレポートをしていました。面白かったので、部分的に書き抜き、ちょっと書き込みました。

(1) このところオーストラリアへの日本文化の進出がめざましい。まず、アニメのほとんどが日本製だ。

(2)食事にしても、日本料理は「高級なエスニック」としてインテリ層にはもともと評判が高かった。

     アメリカでもそうでした。

(3)最近では、グルメの世界だけではなく、ファーストフードにも日本食が進出中。細巻きと太巻きの中間くらいの太さの巻き寿司を2豪ドル弱で売る店も続々とお目見えしている。

     そうそう、オランダのアムステルダムに、回転寿司がありました。でも、店主は中国人でした。

(4)日本文化への憧れは、風呂にまでおよぶ。インテリア業者のショールームに行くと「ジャパニーズスタイル」と銘打たれたものを良く見かける。

  つまり、日本式の風呂桶です。ひのきでしょうか。さわら、それとも、ホーローかプラスチック。そこまでは書いてありませんでした。 

(5)今、メルボルンで話題沸騰中なのが銭湯。その名もずばり「お風呂屋」(THE JAPANESE BATH HOUSEとも書いてある)である。

      わたしは、時々銭湯に行きます。アブクのでる湯など結構、温泉気分になれます。最近の人は、あまり行かないのでしょうね。

(6)オーストラリア人もここではみな裸なのである。

      いつか、アメリカ人をつれて行ったら、裸で入ったけれど、すぐ出てしまった。湿度が高すぎると言っていました。本心は、分かりません。

(7)(お風呂屋には)なんと畳に座卓がおかれ、座布団が敷かれた休憩所ではビールや日本酒・・・あられなども楽しめる。・・・客の9割は、エクゼクティブのオーストラリア人。

      日本で畳の間は、ずいぶん少なくなってしまいましたが、厚さ10Cmの絨毯と考えると豪華なものですよね。

他に

 

(8)去年ヘルシンキに行ったとき、のインテリアショップに提灯、お盆の時に出す提灯です、がありました。

(9)11月27日、NHKテレビでジャズに、日本の伝統音楽をジャズに組み入れた有名な女性作曲家、秋吉敏子さんがでていました。

(10)トヨタの技術担当常務が、日本式を全面にだしたプレゼンテーションをしたという記事が11月21日頃の朝刊にでていました。

 

 

 12月5日に日科技連のシンポジウムでパネルの司会をしました。その時、インド人パネラーから「日本人は、自分の良いところを言わない」といわれました。シャイなのと、比較の対象を知らないからなのではないかなと思います。自信をもちましょう。

 


<未完の目次>

37.  欧州、東アジア、それから、インド

38.43才から、TOIEC 630点をとるには

39.英語は最初が分かると